761年、聖武天皇の勅願によって観世音寺に置かれた戒壇院は、僧尼として守るべき戒律を授ける所であった。
奈良の東大寺、下野(栃木県)の薬師寺と並んで日本三戒壇といわれた。
西日本で仏門に入る人はここで
戒をうけて僧尼になった。
唐僧鑑真が帰化後、初めて授戒を行ったことでも知られている。鑑真は盲目の高僧。日本へ来るのに6度渡航を試み10年もかかった。
日本の仏教界は8世紀に入って戒律を授ける僧侶がいなかったため、僧や尼僧の規律が乱れた。鑑真来日の目的は日本に3つの戒壇院を設立することであった。
本堂にある本尊木造盧遮那仏(国重要文化財)座像は平安時代後期の作。